はじめての運動・ダイエット ロードマップ|7ステップでゼロから始める

このロードマップで分かること

このページは、運動もダイエットも初めての人が、何から始めて、どの順番で進めばよいかを道案内するロードマップです。最初に「ステップ0(安全の確認)」を済ませ、そのあと7つのステップを番号の順に進みます。運動の習慣がない大人、特に「何度か挑戦したけれど続かなかった」という20〜50代の女性を主な読者として想定しています(数字は女性の値を中心に、男性の値も添えています)。

ダイエット(ここでは「体重や体型を、健康的な範囲に整えること」という意味で使います)は、食事を極端に減らすことでも、きつい運動を毎日することでもありません。安全を確かめ、現在地を知り、小さな目標を決め、運動と食事を1つずつ整え、記録しながら続ける。遠回りに見えても、この順番なら一度に生活を変えずに済むので、失敗しにくい進め方です。ただし、体の状態は人によって違います。このページは一般的な情報で、個別の診断や指導の代わりにはなりません。

読み方

各ステップには、同じ形で「このステップのゴール」「やること」「つまずきやすい点」「次へ進む前のチェック」「ここで読む記事」を置いています。ステップの本文だけで行動できるように書いています。記事は「もっと詳しく知りたいとき」に読んでください。太字の記事がまず読む1本です。タイトルだけ表示している記事は準備中です。

文中の「e-ヘルスネット」は、厚生労働省の健康情報サイトのことです。

最初に知っておきたい5つの言葉

用語 説明
BMI 身長と体重から出す体格の数字。体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
腹囲 おへその高さで測ったおなか回り
kcal(キロカロリー) 食べ物のエネルギー(体を動かす燃料)の量の単位
メッツ 運動の強さ。静かに座っている状態を1として、その何倍のエネルギーを使うか。普通の歩行は3メッツ
筋トレ 筋肉に負荷をかける運動。器具を使わず自分の体重で行う自宅の運動(自重トレーニング)も含む

ほかの言葉は、ページ末尾の「用語ミニ辞典」にまとめています。

運動・ダイエットの始め方の全体像とは(ステップ0+7ステップ)

全体の流れは次の図のとおりです。上から下へ、番号の順に進みます。運動(ステップ3)を先に始め、食事(ステップ4)は運動に慣れてから1つずつ変えていきます。ステップ5〜7は、ステップ3・4を続けながら並行して使います。

運動・ダイエットのロードマップ。0安全の確認、1現在地を知る、2目標を決める、3運動を始める、4食事の基本を整える、5続ける・記録する、6つまずきに備える、7やってはいけないこと・相談先を上から下へ並べた図
図1 運動・ダイエットのロードマップ。ステップ0から上から下へ順に進みます。

週ごとの進め方(例)

「今どのステップにいるか」は、この表で確かめてください。週は、ステップ0をした日から数える「自分の週」です。

週 ステップ やること
1週目の初日 ステップ0 安全の確認(始める前に1回だけ)
1週目(初日から7日間) ステップ1 毎朝の体重と1日の歩数を7日間記録する。BMI・腹囲・健診結果を確認
記録が7日分そろった日 ステップ2 減量するかと目標を決める
2週目 ステップ3 今より1日10分多く歩く。週2回の筋トレ。3か月(約90日)はこの週から数える
3週目 ステップ4 運動は続けたまま、食事を1つだけ変える
4〜9週目 ステップ5 歩く時間は4・6・8週目に5分ずつ(上限まで)、食事は5・7・9週目に1つずつ足す(同じ週に2つ変えない)
10〜13週目 ステップ5 予定の上乗せはない。同じ内容を続け、週平均を見る
14週目の最後の日 ステップ5 3か月の振り返り(ステップ5の6)
必要になったとき ステップ6・7 つまずいたとき、迷ったときに読む

予定どおりできなかった週があれば、その週の分だけ、後ろの予定をすべて後ろにずらします。(このページの提案)その週の運動の予定日のうち半分以上できたら「できた週」とします。半分未満なら、同じ内容をもう1週続け、後ろの予定をすべて1週ずらします。たとえば6週目の上乗せ(歩く時間+5分)を見送ったら、7週目に歩く時間を足し、食事は8週目、次の歩く時間は9週目、食事は10週目、上乗せなしは11〜14週目、振り返りは15週目になります。ステップ0で受診が必要になった人は、受診を終えた週を「2週目」として数えます。

歩く時間の上限は、減量する人は「ステップ2で自分の体重から出した時間(例:66kgの人は23分)」、減量しない人は「1日の歩数が約8,000歩に届くまで」です。上限に届いたら、それ以上は増やさずに続けます。ステップ1の平均がすでに約8,000歩以上の減量しない人は、歩く時間は増やさず、筋トレと食事から始めます。

一度に全部を変えないことが大切です。運動を先にするのは、歩く時間を少し増やすほうが、食事を変えるより生活への影響が小さく、始めやすいためです。

ステップ0 始める前の安全の確認(医師に相談すべき人・中止のサイン)

このステップのゴール

自分が「医師に相談してから始める人」か「自分で軽く始めてよい人」かを決め、運動を中止するサインを覚えることです。

安全の確認は「止める・休む・受診する」の3種類

時期 見るもの 当てはまる場合 参照先
始める前に1回だけ 医師に相談してから始める人(6つ)と、健康チェック(8項目) 医師に相談してから始める このステップ0
運動する日に毎回 運動前の体調確認(15項目) その日は休む ステップ3
運動中 すぐ中止するサイン(7つ) すぐ止める このステップ0
ふだんの生活で 受診を先にするサイン(6つ) 受診する ステップ7

医師に相談してから始める人(次の6つ)

次のどれか1つにでも当てはまる人は、運動を増やす前に医師に相談します。ただし、受診を待つ間も、体重と歩数の記録(ステップ1)はしてかまいません。

  1. 高血圧・糖尿病・心臓病・腎臓病などの持病があり、その治療で薬を飲んでいる人
  2. 妊娠中・授乳中の人、妊娠の可能性がある人、出産後に運動の再開について医師・助産師の確認をまだ受けていない人
  3. 65歳以上など高齢で、持病や体力に不安がある人
  4. 成長期の子ども(子どもの体格はBMIではなく、母子健康手帳などにある年齢ごとの身長・体重のグラフ「成長曲線」で見ます)
  5. 食べることや体重に、強い不安やこだわりがある人
  6. 下の健康チェックで、受診・相談が必要になった人

ときどき市販薬(頭痛薬や花粉症の薬など)を飲む程度なら、ふつうは1に当たりません。持病の治療以外で毎日飲んでいる薬(低用量ピルなど)がある人は、運動してよいかを医師・薬剤師に確認します。

運動開始前の健康チェック(全8項目)

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(以下、ガイド2023)の「運動開始前の健康チェックシート」の項目です(要約)。当てはまったときの進み方で、2つに分けました。

A. 医師から運動の範囲を聞いていなければ、受診する(1〜4)

  1. 医師から「心臓病」または「高血圧」と言われたことがある(健診で言われた場合も含む)
  2. ほかに長く続く病気(慢性の病気。例:糖尿病、腎臓の病気、ぜんそく)がある、またはあった
  3. 過去に手術を受けたことがある
  4. 慢性の病気などで薬を飲んでいる

医師から「運動してよい」「この範囲なら」と聞いていれば、その範囲で始めます。聞いていなければ、運動を増やす前に受診します(例:健診で血圧が高いと言われたが、まだ受診していない人)。ただし、治療が終わって今は通院しておらず、医師から運動の制限を言われていない昔の病気や手術(例:子どものころの盲腸の手術)は、そのまま始めてかまいません。

B. 始める前に受診・相談する(5〜8)

  1. 安静時・日常生活・運動中などに「胸の痛み」を感じることがある
  2. めまいでバランスを崩すことがある、またはこの1年間に意識を失ったことがある
  3. 運動で悪くなりそうな骨・関節・筋肉の問題がある(1年以内にあったものも含む)
  4. 医師から「病院のリハビリなど、医療スタッフのもとで運動するように」と言われたことがある(この場合は、その指示に従います)

8項目にも、上の「医師に相談してから始める人」にも当てはまらなければ、軽い運動から自分で始めてかまいません。ただし、健診をしばらく受けていない人は、まず健診で体の状態を確かめておくと安心です。

運動中にすぐ中止するサイン(止める)

ガイド2023は、運動中に次の症状を感じたら直ちに運動を中止するよう示しています。

  • 胸の痛み
  • 動悸(心臓がドキドキと速く打つ、脈が乱れる感じ)
  • めまいやふらつき
  • 強い空腹感やふるえ(血液中の糖が下がりすぎた「低血糖」のサインのことがあります。ガイド2023は、インスリンなど糖尿病の薬を使う人で低血糖が起こりうるとしています)
  • 冷や汗
  • いつもと違う強い疲れ
  • 関節や筋肉の強い痛み

胸の痛みや意識が遠のく感じが続くときは、休んで様子を見るのではなく、周りに助けを求め、必要なら救急要請をためらわないでください。

次へ進む前のチェック

  • 「医師に相談してから始める人」の6つを確認した
  • 健康チェックの8項目を確認し、必要な人は受診・相談した
  • 運動を中止するサインを覚えた
  • ステップ7の「やってはいけないこと」に目を通した

ここで読む記事

ここまでで覚えておくこと

  • 持病の治療中、妊娠中・授乳中・産後、食べることへの強い不安がある人は、始める前に医師に相談する
  • 健康チェックのBに当てはまる人、Aで医師から運動の範囲を聞いていない人は受診・相談する
  • 胸の痛み・めまい・冷や汗・強い痛みが出たら、すぐに中止する

ステップ1 自分の現在地を知る(体重・BMI・腹囲・歩数)

このステップのゴール

自分が「減らす必要があるのか」「どのくらい体を動かしているのか」を、数字で言える状態になることです。地図アプリで目的地を調べる前に、まず現在地を表示するのと同じです。この1週間で、ステップ2に必要な7日分の記録をそろえます。

やること

  1. 体重を測り、この日から毎朝の記録を始める。朝起きてトイレに行ったあとなど、毎回同じ条件で測ります。この記録はずっと続けます。
  2. BMIを計算する。BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)です。身長はセンチではなくメートルで計算します。
  3. 区分を確認する。日本肥満学会の基準では、18.5未満が低体重(やせ)、18.5以上25未満が普通体重、25以上が肥満です。
  4. 腹囲を測る。立った姿勢で、軽く息をはいたときに、おへその高さで測ります。ウエストのいちばん細いところではありません。
  5. 7日間の歩数を記録する。スマホに最初から入っている健康管理アプリや歩数計アプリで、1日の歩数を見られます。7日分を足して7で割り、1日の平均を出します。ガイド2023では60分の歩行が約6,000歩に相当するので、10分歩くとおよそ1,000歩が目安です(国の目安の「1日約8,000歩」は、この60分=約6,000歩に、家事などのゆっくりした動き約2,000歩を足した数です)。
  6. 健康診断の結果を出してくる。40〜74歳は、加入している医療保険から案内される「特定健診」(メタボに着目した年1回の健診)の結果を使います。40歳未満の人は、勤め先や市町村などで受けた健康診断の結果を使います。
BMIの区分の図。18.5未満が低体重、18.5以上25未満が普通体重、25以上が肥満。例として160cm・66kgはBMI25.8で肥満の区分。年齢ごとの目標とするBMIの範囲(18〜49歳18.5〜24.9、50〜64歳20.0〜24.9、65歳以上21.5〜24.9)
図2 BMIの区分と、年齢ごとの目標とするBMIの範囲(日本肥満学会、日本人の食事摂取基準2025年版)

計算例:身長160cm・体重66kgの場合

1.6 × 1.6 = 2.56
66 ÷ 2.56 = 25.78… → BMI 約25.8

25以上なので、区分は「肥満」です。このページでは、この人(160cm・66kg)を例に計算を続けます。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」は、年齢ごとの「目標とするBMIの範囲」も示しています(18〜49歳は18.5〜24.9、50〜64歳は20.0〜24.9、65歳以上は21.5〜24.9)。減量するかどうかは、上の区分(18.5・25)と腹囲で判断します。年齢の範囲は、50歳以上の人が「やせすぎていないか」を確かめるのに使います。BMIが24.9を超えたら減量、という使い方ではありません。

メタボと健診の結果の見方

メタボ(メタボリックシンドローム)は、おなかの中(内臓のまわり)につく脂肪=内臓脂肪がたまっていることを示す腹囲の基準を前提に、血圧・血糖・脂質の異常が重なった状態です。健診の数字を読むのが難しい人は、腹囲(女性90cm・男性85cm)と、結果用紙の「要受診」「要指導」などの判定の印だけ見れば十分です。下の表は、e-ヘルスネットが紹介する日本の診断基準で、項目名は健診の結果用紙と同じです。

診断基準の表を見る
区分 項目 基準
前提 腹囲 女性90cm以上、男性85cm以上
次の3つのうち2つ以上 脂質 中性脂肪150mg/dL以上、またはHDLコレステロール40mg/dL未満(どちらか1つでも当てはまれば該当)
同上 血圧 最高(収縮期)130mmHg以上、または最低(拡張期)85mmHg以上(どちらか1つでも当てはまれば該当)
同上 血糖 空腹時血糖110mg/dL以上

HDLコレステロールは「善玉」と呼ばれ、低いほうがよくないため「未満」で判定します。腹囲の基準は男女で違い、女性のほうが大きい値です。腹囲が基準の前後で迷う値なら、日を変えてもう一度測ります。健診の結果、生活習慣の改善が必要とされた40〜74歳の人には、保健師や管理栄養士による「特定保健指導」が案内されます。

つまずきやすい点

  • BMIが標準なのに「まだ太っている」と感じて減量する。e-ヘルスネットによると、令和5年の調査で20〜30歳代女性の約2割(20.2%)がBMI18.5未満の「やせ」でした。若い女性のやせは、将来の骨粗鬆症(骨がもろくなり折れやすくなる病気)などのリスクを高めると説明されています。
  • BMIだけで判断する。BMIは筋肉と脂肪を区別できません。腹囲と健診の結果もあわせて見ます。
  • 1回だけ測って決める。体重は水分や食事で日々動きます。7日分の平均で見ます。

次へ進む前のチェック

  • 毎朝、同じ条件で体重を7日間記録した
  • BMIを計算し、区分を確認した
  • 腹囲をおへその高さで測った
  • 7日間の歩数から1日の平均を出した
  • 健診の結果を確認し、「要受診」があれば先に受診すると決めた

ここで読む記事

ここまでで覚えておくこと

  • BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)。18.5未満はやせ、25以上は肥満
  • 腹囲はおへその高さで測る。健診の結果もあわせて「現在地」を見る
  • 体重と歩数を7日間記録してから、ステップ2へ進む

ステップ2 ダイエットの目標の決め方は?(減量するかの基準と減量ペース)

このステップのゴール

体重と歩数の記録が7日分そろった日に、減量するかどうかを基準で決め、「いつまでに、どのくらい」を無理のない大きさで決めることです。目標は、山登りの「最初の山小屋」のようなものです。いきなり山頂(理想の体重)を目指すより、最初の山小屋が見えていれば歩き続けられます。

減量するかどうかの基準

ステップ1の結果別
結果 目的
BMIが25以上(肥満) 減量する
BMIは25未満でも、腹囲が女性90cm以上(男性85cm以上) 減量する
健診で特定保健指導の対象になった、または医師に減量をすすめられた 減量する(指導・医師の説明に従う)
BMIが18.5以上25未満で、腹囲も基準未満 減量しない。体重は保ち、体力づくり・引き締めを目的にする(腹囲と、筋トレでできる回数の変化で確かめる)
BMIが18.5未満(やせ) 減量しない。体重を減らす方法は使わない(ステップ3の運動とステップ4の「そろえる」は進めてよい。歩く時間を増やして週平均の体重が減ってきたら、増やすのをやめて医療機関や保健センターに相談)

基準の数字は、日本肥満学会のBMIの区分と、メタボの診断基準の腹囲の値です。健診で「要受診」とされた人は、目標を決める前に受診します。

やること(減量する人)

  1. 最初の目標は「体重の3%」にする。e-ヘルスネットは、3〜4%の緩やかな減量でも、血糖・脂質・血圧の検査値の異常は改善するといわれていると紹介しています。2024年度から変わった特定保健指導のルールでも、主な達成目標は「腹囲2cm・体重2kg減」です。
  2. 期間を決める。まずは3か月(約90日)にします。3か月は、運動を始める2週目から数えます(2週目〜14週目)。
  3. 1日あたりの量に直す。ガイド2023では、体脂肪1kgを減らすのに必要なエネルギーは約7,000kcalとされています。
  4. 食事と活動に分ける。食事だけで減らすより、両方で少しずつ減らすほうが続けやすくなります。

体力づくり・引き締めが目的の人は、体重は今の値を保ち、ステップ3・4の「今より10分」「週2回の筋トレ」「食事をそろえる」を行動の目標にします。引き締まったかどうかは、月に1回の腹囲と、椅子スクワットを続けてできる回数の変化で確かめます。

目標を1日の量に直す計算の図。体重66kgの3%は約2kg、1.98kg×7,000kcal=13,860kcal、90日で割ると1日約154kcal。食事で約80kcal、活動で約75kcalに分ける例
図3 「3か月で体重の3%」を1日の量に直す計算例(体脂肪1kg=約7,000kcalは目安)

計算例:160cm・66kgの人が「3か月で3%」を目指す場合

目標    66kg × 0.03 = 1.98kg(約2kg)
必要量  1.98kg × 7,000kcal = 13,860kcal
1日分   13,860kcal ÷ 90日 = 約154kcal

1日約154kcalを、今の食事から約80kcal、活動で約75kcalに分けます(合計は約155kcal。154kcalとの差は端数の丸めです)。この80kcal・75kcalは66kgの人の例で、減らす量は体重によって変わります(下の表で自分の数字を出します)。「今の食事」とは、ステップ1の1週間に食べていた、ふだんどおりの食事のことです。食事を記録する必要はありません。1週間の体重が大きく増え続けたり減り続けたりしていなければ、その食事を基準にします。

  • 食事で80kcalの例: 栄養成分表示が「100mL当たり40kcal」の甘い飲み物を毎日飲んでいるなら、そのうち200mL分(40×2=80kcal)を水やお茶に替えます(ステップ4で行います。甘い飲み物を飲まない人の選び方もステップ4にあります)。
  • 活動で75kcalの例: 運動で増える消費エネルギーは「(メッツ−1)×時間(h)×体重(kg)」で計算します。1を引くのは、座っていても使う1メッツ分を除き、運動で増えた分だけを数えるためです。体重66kgの人が、今より多く速歩(4メッツ)をすると、(4−1)×時間×66で、約23分で約75kcalです。普通の歩行(3メッツ)なら、(3−1)×時間×66で約34分です(ステップ3で、10分から少しずつ増やします)。

自分の体重で出す(表と式)

減らす量は、「体重の3%を約90日で減らす」ことから決まります。このページでは、1日の合計の約半分(10kcal単位で切り上げ)を食事、残りを活動に分けます。速歩で増える消費は1分あたり「(4−1)÷60×体重」=体重÷20kcalなので、歩く時間は「活動のkcal÷(体重÷20)」を切り上げて出します。

1日の合計は、体重×0.03×7,000÷90で計算
体重 1日の合計 食事で減らす量 活動で減らす量 速歩の時間(上限)
50kg 約117kcal 60kcal 約57kcal 57÷2.5=22.8→23分
60kg 140kcal 70kcal 70kcal 70÷3.0=23.3→24分
66kg(例の人) 約154kcal 80kcal 約75kcal 75÷3.3=22.7→23分
70kg 約163kcal 90kcal 約73kcal 73÷3.5=20.9→21分
80kg 約187kcal 100kcal 約87kcal 87÷4.0=21.8→22分

表にない体重の人は、同じ式で計算します。以下、「食事で減らす量」「歩く時間の上限」は、この表で出した自分の数字のことです。

運動も食事も最初から全部はやらないので、最初の数週間は、1日154kcalに届かなくてかまいません。14週目の振り返りのあとの進め方は、ステップ5の6にまとめています。

「体重を保つ量」と「減らす量」の関係

食事摂取基準(2025年版)には、体重を保つのに必要と推定される1日のエネルギーの量(推定エネルギー必要量)が、ふだん体を動かす量(身体活動レベル)別に示されています。この数字は「保つ量」で、減量中に食べる量ではありません。減量では、今の食事から、表で出した「食事で減らす量」(例の人は80kcal)を減らすだけです。

年代別の数字を見る
区分 18〜29歳 30〜49歳 50〜64歳
ふつう(座る仕事が中心でも、通勤・買い物で歩く、家事をするなどを含む) 1,950kcal 2,050kcal 1,950kcal
低い(生活の大部分を座って過ごし、デスクワークや読書など座ってする活動が中心) 1,700kcal 1,750kcal 1,700kcal

男性の「ふつう」は2,600/2,750/2,650kcal、「低い」は2,250/2,350/2,250kcalです(年代は同じ順)。「低い」の値は、ステップ7の「これより少ない量を自己判断で続けない」線として使います。エネルギーの過不足は、最後は週平均の体重で確かめます。

つまずきやすい点

  • 「1か月で5kg」など大きすぎる目標を立てる。1か月で5kg減らすには、計算上1日1,000kcal以上の差が必要です(5×7,000÷30≒1,167kcal)。女性の「ふつう」の必要量の半分以上にあたり、続かないうえに体調を崩すおそれがあります。
  • 体重だけを目標にする。「週2回、筋トレをする」など行動の目標もあると、体重が動かない週も続けやすくなります。
  • ゴールのあとを決めていない。14週目の振り返りのあとの進め方(ステップ5の6)を、先に読んでおきます。

次へ進む前のチェック

  • 基準の表で「減量する」か「減量しない」かを決めた
  • 減量する人は、目標を体重の3%・期間を3か月に決めた
  • 自分の体重で、食事で減らす量と歩く時間の上限を表(式)で出した
  • 自分の年代の「保つ量」と「低い」の値を確かめた

ここで読む記事

ここまでで覚えておくこと

  • BMI25以上、腹囲が女性90cm以上(男性85cm以上)、健診で保健指導の対象なら減量する。それ以外は体重を保つ
  • 最初の目標は体重の3%。体脂肪1kgは約7,000kcalとして、1日の量に直す
  • 推定エネルギー必要量は「保つ量」。減量は今の食事から、自分の「食事で減らす量」を減らす

ステップ3 運動の始め方は?(歩く・自宅で筋トレ・体調確認)

このステップのゴール

2週目に、「今より1日10分多く歩く」を毎日(体調が悪い日は休んでよい)、「筋トレ」を週2回、1週間続けることです。運動は貯金に似ています。最初の一歩は少額でも、毎日の積み重ねが大きな差になります。

国の運動の目安(成人。最終的に目指す量)

ガイド2023では、成人に次のことを推奨しています。最初から全部を満たす必要はありません。

項目 目安
身体活動(運動と、家事・通勤などの生活の動きの合計) 歩行またはそれと同等以上(3メッツ以上)の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上。60分の歩行約6,000歩+家事などのゆっくりした動き約2,000歩)
運動 息が弾み汗をかく程度以上の運動を週60分以上
筋トレ 週2〜3日(自宅でのスクワットや腕立て伏せなども含む)
座りすぎ 座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する

高齢者は、身体活動を1日40分以上(約6,000歩以上。40分の歩行約4,000歩+家事などの約2,000歩)、筋トレ・バランス運動・柔軟運動などを組み合わせた運動を週3日以上(筋トレは週2〜3日)とされています。ガイドの全体の方向性は「今よりも少しでも多く身体を動かす」です。

運動の始め方の図。最終的な目安(身体活動1日60分以上・家事などを含め約8,000歩、運動週60分、筋トレ週2〜3日、座りすぎを減らす)と、体調確認→今より10分→週2回の筋トレ→少しずつ増やす、の順番
図4 成人の運動の目安(最終的に目指す量)と、ゼロから始める順番(ガイド2023より)

やること

  1. 運動する日は、まず体調を確かめる(下の「運動前の体調確認」)。
  2. 今より1日10分、毎日多く歩く。1回で歩いても、何回かに分けた合計でもかまいません。1駅歩く、階段を使う、買い物を徒歩にする、などから。e-ヘルスネットの情報シートでは、身体活動量が1日10分多くなると、病気の発症や死亡のリスクが約3%低下すると推測されています。10分はおよそ1,000歩です。
  3. 歩くときは少し速く。普通歩行(3メッツ)を、やや速歩(4メッツ台)にするだけで強さが上がります。ガイド2023のメッツ表では、普通歩行は1分に約67m、やや速歩は1分に約93m(10分で約930m)の速さです。体の感じでは、国の目安にある「息が弾み汗をかく程度」をめざし、息が上がりすぎて続けられない速さにはしません。
  4. 週2回、自宅で筋トレをする。e-ヘルスネットがすすめる「椅子スクワット」は、椅子から立ち上がって座る動作をくり返す運動です。お尻を後ろに引き、上体をやや前に傾け、膝が前に出ないようにすると、膝を痛めにくいと説明されています。あわせて、立ったまま太ももを交互に引き上げる「腿あげ」もすすめられています。回数は、このページでは「無理なくできる回数(例えば5〜10回。腿あげは左右で1回と数える)を1セットとし、1分ほど休んで2セット」から始めることをすすめます。限界までは行いません。
  5. 30分に1回は立ち上がる。e-ヘルスネットの情報シートは、長く座り続ける時間をできるだけ頻繁に(例えば30分ごとに)中断することが重要だと報告されていると紹介しています。
  6. ウォームアップとクールダウンをする。ウォームアップ(準備運動)は、これから行う運動を軽くした動き(ゆっくり歩く、軽い体操など)から始めて、少しずつ強めます。運動後は、急に止まると血圧が下がるなどのおそれがあるため、5〜10分ほど軽い動きを続けます(クールダウン)。

「歩く時間」の増やし方と上限

歩く時間は、4・6・8週目(自分の週)に5分ずつ増やします。上限は、減量する人は「ステップ2で決めた時間」、減量しない人は「1日の歩数が約8,000歩に届くまで」です。上限に届いたら、それ以上は増やさずに続けます。

減量する人の上限は、ステップ2の表で出した時間です。例(66kg)では、活動で減らす目標は1日約75kcal(今より多く速歩を約23分)でした。4・6・8週目に5分ずつ増やすと10→15→20→25分になりますが、8週目は目標の23分で止めます。

体重66kgで計算
時期 速歩の時間 増える消費
2〜3週目 10分 (4−1)×10/60×66=約33kcal
4〜5週目 15分 (4−1)×15/60×66=約50kcal
6〜7週目 20分 (4−1)×20/60×66=66kcal
8週目〜(ここで止める) 23分 (4−1)×23/60×66=約76kcal

体重が違う人は、ステップ2の表(「活動で減らすkcal÷(体重÷20)」)で出した時間を上限にします。疲れや痛みが出たら増やすのを見送り、後ろの予定をずらします(週ごとの表の下を参照)。

減量しない人も、4・6・8週目に5分ずつ(10→15→20→25分)増やします。約8,000歩に届いた時点で止め、それ以上は増やしません。

運動前の体調確認(ガイド2023の15項目)

次のどれかに当てはまる日は、その日の運動を休みます。

  • 胸が痛い
  • 少し動いただけで息切れや動悸がする
  • 熱がある
  • 吐き気がある、気分が悪い
  • 頭痛やめまいがする
  • 耳鳴りがする
  • 足腰の痛みが強い
  • 体がだるい
  • 過労気味で体調が悪い
  • 睡眠不足で体調が悪い
  • 食欲がない
  • 二日酔いで体調が悪い
  • 下痢や便秘をしていて腹痛がある
  • 咳やたんが出て、風邪気味である
  • (夏)熱中症警報が出ている(天気予報やニュースで確かめる)

「過労気味」「睡眠不足」は、それで体調が悪いと感じるときの項目です。忙しくて眠いだけで体調はふつうなら当てはまりません。「体がだるい」「食欲がない」も、このページでは、ふだんの疲れと違う、はっきりした体調の悪さとして感じるときに当てはめることをすすめます。迷う日は、このページでは、速歩や筋トレはやめて、ゆっくりの散歩やストレッチにとどめることをすすめます。胸の痛み、少し動いただけの息切れや動悸がくり返すときは、休むだけでなく受診します。

「今より10分」は、ステップ1で測った平均の歩数に、およそ1,000歩を足すイメージです。どの曜日も、体調確認に当てはまる日は休んでかまいません。

つまずきやすい点

  • いきなり毎日1万歩・毎日ジョギングを始める。ガイド2023は、ふだん体を動かしていない人が急に普段以上の運動をすると、事故などのリスクが高くなると示しています。
  • 運動だけで痩せようとする。体重55kgの人が速歩を30分しても、増える消費は約80kcal((4−1)×0.5時間×55kg)です。食事の見直し(ステップ4)と組み合わせます。
  • 痛みを我慢して続ける。ステップ0の中止のサインが出たら、すぐにやめます。

次へ進む前のチェック

  • 運動する日に、体調確認の項目を見てから始めた
  • 「今より10分」を1週間続けた
  • 週2回の筋トレを1週間行った
  • 歩く時間を増やす予定と上限(減量する人はステップ2の表の時間、減量しない人は約8,000歩まで)を決めた

ここで読む記事

ここまでで覚えておくこと

  • 最初は「今より10分」を毎日と、週2回の筋トレ。国の目安(1日60分など)は最終的に目指す量
  • 4・6・8週目に5分ずつ増やす。上限は、減量する人はステップ2の表の時間、減量しない人は1日約8,000歩
  • 運動する日は体調確認から。筋トレは限界までやらない

ステップ4 ダイエットの食事の基本とは?(1つずつ変える)

このステップのゴール

3週目に、運動を続けたまま、食事を1つだけ変えることです。そのあとは5・7・9週目に1つずつ足していきます。食事は家計に似ています。支出を見直すとき、生活費(毎食の主食・主菜・副菜)を削るより、ムダな出費(甘い飲み物やお菓子)から減らすほうが、生活が苦しくなりません。

食事の基本(目指す形)

  • 毎食、主食・主菜・副菜をそろえる。e-ヘルスネットは、バランスのとれた食事を、主食(ごはん・パン・麺)、副菜(野菜・きのこ・いも・海藻の料理)、主菜(肉・魚・卵・大豆の料理)のそろった食事と説明しています。
  • 牛乳・乳製品と果物も、1日のどこかで取る。
  • お菓子・甘い飲み物は、多くても1日200kcal程度まで(農林水産省の「食事バランスガイド」の目安)。
  • たんぱく質は推奨量を下回らない(下の説明)。
食事の組み立ての図。毎食、主食・主菜・副菜をそろえる。1日のどこかで牛乳・乳製品と果物。お菓子・甘い飲み物は多くても1日200kcal程度まで。たんぱく質の推奨量は女性50g(18〜74歳)、男性65g(18〜64歳)
図5 毎食の組み立てと、1日の目安(e-ヘルスネット、食事バランスガイド、日本人の食事摂取基準2025年版)

やること

3週目に変えるのは、次の1つだけです。

  1. 減量する人: ステップ2の表の「食事で減らす量」(例の人は80kcal)を減らす。まず飲み物やお菓子の栄養成分表示で「何当たりの数字か」と「熱量(カロリー)」を見て、その量になるものを水やお茶に替えるか、やめます(例:100mL当たり40kcalの飲み物200mL分)。甘い飲み物もお菓子もとらない人は、主食のおかわりをやめる、揚げ物を焼く・煮る料理に替える、のどちらか1つにします(表示がない料理は正確に数えられないため、このページではこれを「食事で減らす量」の目安として扱い、週平均の体重で確かめます)。
  2. 減量しない人: 1日分の食事に、主食・主菜・副菜の○×をつけ、×がいちばん多い区分を1品だけ足す。

5・7・9週目に1つずつ足すこと(どれからでもかまいません。迷ったら副菜から):

  • 毎食に主菜を1品入れ、たんぱく質の推奨量を下回らないようにする
  • 副菜(野菜・きのこ・いも・海藻の料理)が×の食事に、1品足す
  • 牛乳・乳製品と果物を、1日のどこかで取る(栄養成分表示では、たんぱく質と食塩相当量=食品の塩分を食塩の量に直した値も見るようにする)

減量する人が副菜を足すときは、野菜・きのこ・海藻の料理を優先します。主菜を足すのは、主菜がない食事だけです。その場合も揚げ物は避け、焼く・煮るなどの料理にします(食事バランスガイドの解説は、油の多い料理はエネルギーが多くなりやすいとしています)。減らす量はお菓子・甘い飲み物から、足すのは主菜・副菜が×の食事だけ、と分けて考えると、食べる量が減りすぎず、計画とも矛盾しません。

たんぱく質は何gを目指す?

食事摂取基準(2025年版)には、たんぱく質について2種類の数字があります。

推奨量と目標量の違いを見る
種類 意味 値
推奨量 その年代のほとんどの人(97〜98%)が足りる量 女性1日50g(18〜74歳)、男性1日65g(18〜64歳)
目標量 生活習慣病の予防のために、エネルギー全体のうち何%をたんぱく質から取るかの範囲 13〜20%(18〜49歳)

このページで目指すのは、推奨量(女性50g)以上です。目標量は食事全体の割合の目安なので、今は満たしていなくても気にしなくてかまいません。食品のたんぱく質の量は、パッケージの栄養成分表示で確かめられます。ただし、腎臓の病気がある人はたんぱく質を制限することがあるため、医師の指示に従います。

同じ目標量で、脂質はエネルギーの20〜30%、炭水化物は50〜65%とされています。炭水化物は主食の主な中身です。主食を完全に抜くと、この範囲から大きく外れます。

つまずきやすい点

  • 一度にいくつも変える。5・7・9週目に1つずつです。
  • 主食(ごはん・パン)を完全に抜く。主食を減らすより先に、お菓子・甘い飲み物と揚げ物を見直します。
  • 「ゼロ」「オフ」の表示だけで選ぶ。消費者庁の資料によると、「ゼロ」は「まったく含まない」ではなく「基準値未満」という意味です。
  • 飲み物のカロリーを数えない。表示が「100mL当たり」なら、500mLのペットボトル1本は5倍です。
  • サプリで栄養を補おうとする。消費者庁は、健康の維持・増進の基本は食事・運動・休養で、健康食品は補助的なものとしています。

次へ進む前のチェック

今週やる1つ:

  • 減量する人は、表示を見て「食事で減らす量」を減らした(または、おかわりをやめる・揚げ物を替える)。減量しない人は、×の多い区分を1品足した

慣れてから足すもの(5・7・9週目に1つずつ):

  • 毎食に主菜を入れ、たんぱく質の推奨量を下回らないようにした
  • 副菜が×の食事に1品足した
  • 牛乳・乳製品と果物を1日のどこかで取った

ここで読む記事

ここまでで覚えておくこと

  • 食事は3週目に1つだけ変え、そのあと5・7・9週目に1つずつ足す
  • 減らす量はお菓子・甘い飲み物から(とらない人は、おかわりをやめる・揚げ物を替える)。足すのは×の食事だけ、迷ったら副菜から
  • たんぱく質は推奨量(女性50g、男性65g)を下回らない

ステップ5 運動・ダイエットを続けるコツは?(記録と小さな上乗せ)

このステップのゴール

4週目から、ステップ1から続けている体重の記録を毎週末に週平均で見て、1つずつ上乗せしていく流れを作ることです。記録は車のナビのようなものです。今どこを走っているかが分かれば、道を外れても早めに戻れます。

やること

  1. 体重は「週平均」で見る。7日分を足して7で割り、前の週と比べます。
  2. 体重のほかに3つだけ記録する。歩数、運動した時間(筋トレをした日も含む)、体調です。食事は記録しなくてかまいません。
  3. 毎週末に見直す。週平均を出し、その週の予定どおりできたかを確かめます。
  4. 上乗せは1週に1つずつ。歩く時間は4・6・8週目に5分ずつ(ステップ3の表)、食事は5・7・9週目に1つずつ(ステップ4)と、週を分けて上乗せします。上乗せは「前の週ができた週」だったときだけです。(このページの提案)その週の運動の予定日のうち半分以上できたら「できた週」とします。半分未満なら、同じ内容をもう1週続け、後ろの予定をすべて1週ずらします。
  5. 10〜13週目は予定の上乗せはない。同じ内容を続け、週平均を見ます。停滞したときはステップ6のルールに従います。
  6. 14週目の最後の日に振り返る(ずらした人は、ずらした週)。
    – 目標に届いた人: このページでは、減らしていた「食事で減らす量」を2週ごとに半分ずつ戻し、週平均が横ばいになる量を探して、少なくとも1か月「保つ」ことをすすめます。保てたあとも、BMIが25以上か腹囲が基準以上のままの人だけ、次の3%を目指します。歩く時間は、保つ期間に入ってから、1日約8,000歩に向けて4週ごとに5分ずつ足してかまいません。
    – 体重を減らさない人: 腹囲、椅子スクワットを続けてできる回数、1日の歩数を2週目と比べ、続けられたかを確かめます。続けられていれば、同じ内容を続けます。
    – 届かなかった人: 上乗せはせず、同じ内容のまま4週延ばし、18週目にもう一度振り返ります。そこでも体重がほとんど動かなければ、保健センターや医療機関に相談します。
  7. 休んだ翌日に再開する。体調が悪い日は休んでかまいません。ただし、翌日にまた再開します。忙しい日は、量を半分にしてでも続けます。
2週間の体重の変化のグラフ。1週目(灰)の平均約66.2kg、2週目(青)の平均約65.9kg。日ごとの上下より、週平均の変化を見る例
図6 体重は日ごとに上下する。1週間の平均で変化を見る例(数値は説明用)

計算例:週平均の出し方

ステップ1の例の人(66kg)で、1週目の体重が66.4、66.0、66.6、66.1、65.9、66.5、66.2kgなら、合計463.7kg÷7日=約66.2kgです。2週目が合計461.3kgなら、÷7で約65.9kgです。前日より増えた日があっても、週平均では約0.3kg減っています。

つまずきやすい点

  • 毎日の体重に一喜一憂する。体重は水分や食事の量で日々動きます。1日増えたからといって、食事を急に減らす必要はありません。
  • 記録の項目を増やしすぎる。体重と3つの項目で十分です。
  • うまくいったからと一気に増やす。疲れや痛みが出やすくなります。

次へ進む前のチェック

  • 体重の週平均を2週分出して比べた
  • 歩数・運動時間・体調の記録を2週間続けた
  • 次に上乗せすること(歩く時間か食事の1つ)を決めた(できなかった週は上乗せしない)

ここで読む記事

ここまでで覚えておくこと

  • 体重は同じ条件で測り、週平均の変化を見る
  • 記録は体重+歩数・運動時間・体調の3つ。毎週末に見直す
  • 上乗せは予定どおりできたときだけ、1つずつ。できなかったら後ろの予定をすべてずらす

ステップ6 停滞期・リバウンドなどのつまずき対策は?

このステップのゴール

体重が減らない、戻ってしまった、眠れない、痛い、体調の波がある、やる気が出ない、といったときに、慌てずに打つ手を知っておくことです。天気予報で雨を知っていれば傘を持って出られるように、つまずきは「起きるもの」として準備しておけば、やめずに済みます。

つまずきと対処の図。停滞、リバウンド、寝不足、筋肉痛・関節の痛み、生理の前後の体調の変化、やる気が出ない、の6つと、それぞれにまずやること
図7 よくある6つのつまずきと、まずやること

やること(よくある6つのつまずき)

  1. 体重が減らないとき(停滞): このページでは、次の1つのルールに統一します。週平均が2週前の週平均より0.2kg以上減っていない(このページの提案の基準)なら、①記録を見直す(甘い飲み物・お菓子が戻っていないか、歩数が減っていないか)→②同じ内容をさらに2週続ける→③それでも横ばいで、歩く時間がまだ上限に届いていなければ、5分足す。上限(減量する人はステップ2で決めた時間、減量しない人は1日約8,000歩)に届いていれば、足さずに続け、14週目の振り返りを待ちます。食事を急に大きく減らすことはしません。4・6・8週目の上乗せと同じ週に重なったら、足すのは1回(5分)だけです。体重を保つ目的の人には、このルールは当てはまりません。
  2. 体重が戻ったとき(リバウンド): 急な減量のあとに起こりやすいとされています。目標を「減らす」から「保つ」に切り替える期間を作り、運動と食事の習慣を続けます。
  3. 寝不足が続くとき: 厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、成人は6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保するよう示しています。睡眠不足で体調が悪い日は、その日の運動を休みます。
  4. 筋肉痛や関節の痛みがあるとき: 強い痛みがある日は休みます。痛みが続くときは整形外科などを受診します。
  5. 生理の前後で体調が変わるとき: 運動の強さを下げる、ストレッチや散歩に切り替えるなどで調整します。体重も週平均や月単位で見ます。
  6. やる気が出ないとき: 量を半分にする、時間を短くする、好きな種目だけにする、などで続けます。体調が悪い日は休んでかまいません。ただし、翌日にまた再開します。

つまずきやすい点

  • 停滞期にさらに食事を減らす。必要量を大きく下回る食事は、体調を崩す原因になりかねません。
  • 食べすぎたことを責める。翌日からいつもの食事に戻せば十分です。責めて極端な制限をすると、かえって食べすぎをくり返しやすくなります。
  • やせ願望が強くなりすぎる。e-ヘルスネットは、「やせ願望」が深刻になると摂食障害(食べることのコントロールが難しくなる病気)を招くおそれがあり、サインに気づいたら早めに専門家に相談するよう呼びかけています。

次へ進む前のチェック

  • 停滞したときのルール(記録を見直す→2週続ける→上限前なら5分足す)を覚えた
  • 目標に届いたあとの「保つ」期間(少なくとも1か月)を計画に入れた
  • 睡眠時間の目安(6時間以上)を確保する工夫を1つ決めた

ここで読む記事

ここまでで覚えておくこと

  • 停滞は、記録を見直す→2週続ける→上限前なら5分足す。上限なら足さずに続ける。食事を急に減らさない
  • 減量のあとは「保つ」期間を作る
  • 成人の睡眠は6時間以上が目安。強い痛みは休む、続くなら受診

ステップ7 ダイエットでやってはいけないことと相談先

このステップのゴール

体を傷つける方法や、根拠の弱い商品・契約を避け、迷ったときに相談できる先を知っておくことです。ステップ0とあわせて最初にも目を通し、迷ったときにいつでもここへ戻ってきてください。

やってはいけないことと相談先の図。避けること6つ:必要量を大きく下回る食事制限、1つの食品だけを食べ続ける、主食を完全に抜く、サプリや健康食品に頼り切る、広告の体験談だけで選ぶ、確かめずに高額の契約をする。受診・相談のサイン6つ。相談先4つ:かかりつけ医、市町村保健センター、特定健診・特定保健指導、消費者ホットライン(電話188)
図8 避けること6つ、受診・相談のサイン6つ、相談先4つ

やってはいけないこと(6つ)

  1. 必要量を大きく下回る食事制限。このページで食事から減らすのは、ステップ2の表の量(体重50〜80kgで60〜100kcal)だけです。食事の量は記録しないので、減らしすぎは体重で確かめます。このページでは、週平均の体重が1週間に0.5kgを超えて減ったら減らしすぎとみなし、減らす量を半分に戻すことをすすめます。
  2. 1つの食品だけを食べ続ける方法。栄養が偏ります。主食・主菜・副菜の組み合わせが基本です。
  3. 主食を完全に抜く。炭水化物の目標量(エネルギーの50〜65%)から大きく外れます。
  4. サプリや健康食品に頼り切る(使うこと自体ではなく、頼り切ることを避けます)。消費者庁は、健康食品は補助的なもので、錠剤・カプセル状の製品は過剰摂取になりがちだと注意しています。不調を感じたら医師・薬剤師に相談します。
  5. 広告のキャッチコピーや体験談だけで選ぶ。消費者庁は、体験談だけを信用せず、成分の安全性と有効性の情報を自分で調べるよう呼びかけています。
  6. 確かめずに高額のコースを契約する。ジムやスタジオの体験の日にその場で契約せず、料金の総額や解約の条件を書面で確認します。

受診・相談を先にするサイン(6つ。ふだんの生活で)

  • 胸の痛み・動悸
  • めまい・ふらつき・失神
  • 少し動いただけで息切れがする
  • 月経が止まった
  • 急に体重が減った
  • 食べることへの強い不安、食べ吐きなど、食べ方を自分でコントロールできない

このほか、健診で「要受診」「要精密検査」と言われたときや、肥満による病気が心配なときも受診します(日本肥満学会は、肥満症が気になる人に早めに内科などを受診するよう呼びかけています)。

相談先(4つ)

具体的な窓口の名前や受付時間は、お住まいの自治体や加入している保険の案内で確認してください。保健センターは「住んでいる市区町村名+保健センター」で検索するか、市区町村の役所に電話して尋ねると見つかります。

相談先 相談できること
かかりつけ医(内科など) 持病や薬があるときに運動や減量を始めてよいか、体の症状、健診の結果の意味
市町村保健センター 住民の健康相談・保健指導・健康診査を行う施設(地域保健法)。食事や運動などの生活習慣の相談
特定健診・特定保健指導(40〜74歳) 加入している医療保険から案内される年1回の健診と、その後の保健師・管理栄養士などによる生活改善の支援
消費者ホットライン(電話番号188) 電話をかけると消費生活センターなどの相談窓口につながります。健康食品やジムなどの契約・解約のトラブル

相談するときは、身長・体重・腹囲、健診の結果、飲んでいる薬やサプリ(お薬手帳)、1日の歩数をメモして持っていくと話が早く進みます。

チェック

  • 「やってはいけないこと」6つを読んだ
  • 受診・相談を先にするサインを覚えた
  • 相談先4つの連絡方法を確認した

ここで読む記事

ここまでで覚えておくこと

  • 極端な食事制限、1つの食品だけ、主食抜き、サプリ頼み、体験談だけで選ぶ、確かめない契約、は避ける
  • 胸の痛み・めまい・月経の停止・急な体重減少などは、受診を先にする
  • 迷ったら、ひとりで判断せず相談する

運動・ダイエットのよくある失敗と対策

よくある失敗 対策
短期間で大きく減らそうとする 体重の3%から。1日の量に直して確かめる(ステップ2)
BMIが標準なのに減量を続ける 基準の表で「減量しない」なら、体重は保つ(ステップ2)
毎日きつい運動を始めて数週間でやめる 今より10分+週2回の筋トレから。4・6・8週目に5分ずつ(ステップ3)
食事を一度に全部変える・主食を抜く 1つずつ。減らすのはお菓子・甘い飲み物から(ステップ4)
毎日の体重で落ち込む 週平均で見る(ステップ5)
停滞期にさらに食事を減らす 記録を見直し、2週続け、上限前なら歩く時間を5分足す(ステップ6)
サプリや広告に頼る 健康食品は補助。体験談だけで選ばない(ステップ7)

始める前のチェックリスト

  • ステップ0の「医師に相談してから始める人」と健康チェック8項目を確認した
  • 体重計とメジャー(腹囲用)を用意した
  • 歩数を記録できるもの(スマホなど)を用意した
  • 健康診断の結果がどこにあるか分かる
  • 記録をつける場所(ノートやアプリ)を決めた
  • 胸の痛みなどが出たらすぐ運動を中止すると決めた

用語ミニ辞典(運動・ダイエットの言葉とは)

用語 説明
内臓脂肪 おなかの中(内臓のまわり)につく脂肪(腹囲が大きいと、たまっている目安になる)
メタボ(メタボリックシンドローム) 内臓脂肪に、血圧・血糖・脂質の異常が重なった状態(腹囲+3項目のうち2つ以上で診断)
特定健診・特定保健指導 40〜74歳の年1回の健診と、その後の生活改善の支援(2024年度からのルールでは「腹囲2cm・体重2kg減」が主な目標)
推定エネルギー必要量 体重を保つのに1日に必要とされる量の目安(30〜49歳女性・ふつうで2,050kcal)
身体活動レベル ふだん体を動かす量の区分(低い・ふつう・高い)。座る仕事でも通勤で歩くなら「ふつう」
推奨量 その年代のほとんどの人(97〜98%)が足りる量。たんぱく質は女性50g(18〜74歳)、男性65g(18〜64歳)
目標量 生活習慣病の予防のために目指す範囲(炭水化物はエネルギーの50〜65%)
主食・主菜・副菜 ごはん・パン・麺/肉・魚・卵・大豆の料理/野菜・きのこ・いも・海藻の料理(毎食そろえるのが基本)
食塩相当量 食品の塩分を食塩の量に直した値(栄養成分表示に必ず書かれている)
自重トレーニング 器具を使わず、自分の体重で負荷をかける筋トレ(椅子スクワット)
低血糖 血液中の糖が下がりすぎた状態(強い空腹感やふるえは中止のサイン)
リバウンド 減らした体重が元に戻る、または超えること(急な減量のあとに起こりやすい)
骨粗鬆症 骨がもろくなり、折れやすくなる病気(若い女性のやせはリスクを高める)
摂食障害 食べることのコントロールが難しくなる病気(サインに気づいたら早めに相談)

次に読む記事(目的別)

各ステップで紹介した記事のほかに、目的に合わせて次の記事も役立ちます。タイトルだけ表示している記事は準備中です。

歩く・走る

  • ウォーキングの効果と歩数|1日何歩が目安?始め方
    1日の歩数の目安と、今の歩数から増やす方法
  • インターバル速歩とは|やり方・頻度・注意点を整理
    速歩とゆっくり歩きをくり返すインターバル速歩
  • ウォーキングの正しいフォーム|姿勢・歩幅・腕振りの基本
    姿勢・歩幅・腕振りなど、ウォーキングの基本

自宅で筋トレ・体を整える

食事・栄養

ライフステージ・ジム・スタジオ

よくある質問(FAQ)

Q. 運動とダイエット、どちらから始めればいいですか?
A. 運動からです。ステップ0〜2を1週目に済ませ、2週目に運動(ステップ3)を始め、3週目に食事(ステップ4)を1つだけ変えます。ただし、持病の治療中の人などは、ステップ0のとおり医師に相談してから始めます。

Q. 1か月で何kg痩せられますか?
A. 人によって違うため、一律には言えません。このページでは、最初の目標を「3か月で体重の3%」にすることをすすめています。体重66kgなら約2kgです。ただし、計算どおりに減らないことも多く、週平均の体重を見て調整します。

Q. 1日何歩歩けばいいですか?
A. 国の目安(ガイド2023)では、成人は1日約8,000歩以上です(60分の歩行約6,000歩+家事などの約2,000歩)。ただし、最初は今の歩数におよそ1,000歩(10分)を足すところから始め、4・6・8週目に5分ずつ増やせば十分です。

Q. 減量したい人は、1日何分歩けばいいですか?
A. ステップ2の表で、自分の体重から出した時間です(体重50〜80kgでおよそ21〜24分の速歩)。例の66kgの人なら約23分です。ただし、いきなりではなく、10分から始めて4・6・8週目に5分ずつ増やし、8週目に上限の時間で止めます(ステップ3の表)。

Q. 食事は1日何kcalにすればいいですか?
A. 減量では、「何kcalにするか」より「体重が横ばいだった今の食事から、ステップ2の表の『食事で減らす量』(例の人は80kcal)を減らす」と考えます。推定エネルギー必要量(例:30〜49歳女性・ふつうで2,050kcal)は、体重を保つ量の目安です。ただし、これを大きく下回る量を自己判断で続けるのは避けます。

Q. たんぱく質は何g取ればいいですか?
A. まず推奨量(女性50g〈18〜74歳〉、男性65g〈18〜64歳〉)を下回らないことです。毎食に主菜(肉・魚・卵・大豆の料理)を1品入れます。ただし、腎臓の病気がある人は医師の指示に従います。

Q. 主食(ごはん)を抜くと早く痩せますか?
A. このページではすすめません。炭水化物はエネルギーの50〜65%が目標量で、主食は毎食の基本です。ただし、主食の量を見直すのは、お菓子・甘い飲み物と揚げ物を見直したあとにします。そのときも抜かず、おかわりをやめる程度にとどめます。

Q. ダイエット用のサプリや健康食品は必要ですか?
A. ふつうの食事でとれていれば、必要ありません。消費者庁は、健康の基本は食事・運動・休養で、健康食品は補助的なものとしています。ただし、医師から出されている薬やサプリは自己判断でやめず、医師に相談します。

Q. 運動中、どのくらいで「きつすぎる」と判断すればいいですか?
A. 国の目安では、息が弾み汗をかく程度が「運動」の強さです。それ以上に追い込む必要はありません。ただし、胸の痛み、動悸、めまい、冷や汗、強い痛みが出たら、強さに関係なくすぐに中止します。

Q. 持病はありませんが、医師に相談すべきですか?
A. ステップ0の「医師に相談してから始める人」(妊娠中・授乳中・産後、食べることへの強い不安、65歳以上で不安がある、など)と、健康チェック8項目の両方を確かめてください。どれにも当てはまらなければ、軽い運動から自分で始めてかまいません。当てはまるものがあれば、ステップ0のA・Bの進み方(医師から運動の範囲を聞いていればその範囲で、聞いていなければ受診)に従います。ただし、健診をしばらく受けていない人は、まず健診を受けておくと安心です。

出典

このページは、上の一次情報(厚生労働省、農林水産省、消費者庁、日本肥満学会、法令など)をもとに、2026年10月時点の情報で作成しました。数値や制度は改定されることがあるため、最新は各公式サイトで確認してください。

このページの内容は一般的な情報提供であり、個別の診断・治療・栄養指導・運動指導の代わりではありません。特定の商品・サービス・ダイエット法を推奨するものでもありません。持病のある人、服薬中の人、妊娠中・授乳中・産後の人、高齢の人、子どもは、医師などの専門家に相談したうえで取り組んでください。記事の作成には生成AIを利用し、一次情報との照合を行っていますが、正確性を保証するものではありません。