身体活動・運動ガイド2023とは大人の運動量の目安

厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の要点を初心者向けに整理。成人は1日60分・約8,000歩、運動は週60分、筋トレは週2〜3日、座りっぱなしを減らす。高齢者の目安と始め方も紹介します。
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身体活動・運動ガイド2023とは
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、厚生労働省がまとめた、健康のために体をどれだけ動かすとよいかの国の目安です。成人・高齢者・こどもに分けて推奨が示され、2023年版では筋力トレーニングの推奨が新たに加わりました。
運動を始める人が最初に知っておきたいのは、成人の目安が「1日60分の歩行程度の活動(約8,000歩)」だという点です。いきなり達成する必要はありません。ガイドの全体の方向性は「今よりも少しでも多く身体を動かす」で、個人差を踏まえて、可能なものから取り組むよう書かれています。
身体活動・運動ガイド2023の基本
「身体活動」「生活活動」「運動」の違い
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 身体活動 | 安静にしているより多くエネルギーを使う、体を動かすすべての活動 | 下の2つの合計 |
| 生活活動 | 家事・仕事・通勤・通学などに伴う活動 | 買い物で歩く、掃除、階段 |
| 運動 | 健康や体力のために、計画的・定期的に行うもの | ウォーキング、筋トレ、ヨガ |
成人の推奨(ガイド2023より)
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 身体活動 | 歩行またはそれと同等以上(3メッツ以上)の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上、週23メッツ・時以上) |
| 運動 | 息が弾み汗をかく程度以上(3メッツ以上)の運動を週60分以上(週4メッツ・時以上) |
| 筋力トレーニング | 週2〜3日(上の運動に含めてよい) |
| 座位行動 | 座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する |
メッツは運動の強さの単位で、静かに座っている状態を1とし、その何倍のエネルギーを使うかを表します。普通の歩行は3メッツです。
高齢者の推奨
高齢者は、3メッツ以上の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上、週15メッツ・時以上)、有酸素運動・筋トレ・バランス運動・柔軟運動などを組み合わせた運動を週3日以上(筋トレは週2〜3日)とされています。ガイドは、年齢で一律に区切らず、個人の状況に応じて取り組むことが重要だとしています。
身体活動・運動ガイド2023の具体例
「8,000歩」の内訳
ガイドによると、毎日60分歩くとほぼ週23メッツ・時になり、60分の歩行は約6,000歩に相当します。家事などの3メッツ未満の生活活動が1日約2,000歩に相当するため、合計で約8,000歩になる、という考え方です。
普通歩行 3.0メッツ × 1時間 × 7日 = 21メッツ・時
散歩程度 3.5メッツ × 1時間 × 7日 = 24.5メッツ・時
歩く速さによって3〜3.5メッツ程度なので、毎日60分でおよそ週23メッツ・時前後になります。
1日10分増やす意味
ガイドの情報シートでは、身体活動量が1日10分多くなると、病気の発症や死亡のリスクが約3%低下すると推測されています(運動量なら約6%)。ゼロから始める人は、まず「今より10分」が現実的な目標です。
運動の週60分の組み方の例
| 曜日 | 内容 | 時間 |
|---|---|---|
| 月 | 早歩き | 20分 |
| 水 | 自宅で自重の筋トレ(スクワットなど) | 15分 |
| 金 | 早歩き | 15分 |
| 日 | 自宅で筋トレ | 10分 |
| 合計 | 60分 |
身体活動・運動ガイド2023を活用する流れ
- 今の歩数を1週間測る(スマホの歩数計で十分です)。
- 始める前に体調を確認する。運動開始前の健康チェック(8項目)で受診・相談が必要とされた人、持病の治療で薬を飲んでいる人、妊娠中・産後の人は医師に相談します。
- 今より1日10分、体を動かす時間を増やす。通勤で1駅歩く、階段を使うなど。
- 週に2日、筋トレを入れる。器具のいらない自重トレーニングから。
- 30分に1回は立ち上がる。ガイドの情報シートは、長い座位を頻繁に(例えば30分ごとに)中断することが重要だと報告されていると紹介しています。
- 2〜4週ごとに少しずつ増やす。
身体活動・運動ガイド2023の注意点
- 推奨値は「目指す目安」で、全員が最初から達成すべきものではありません。ガイドは、強度や量を個人差に合わせて調整するよう書いています。
- 妊娠中・産後の人や障害のある人を対象とした推奨事項は、科学的知見が不十分として示されていません。医師に相談して進めます。
- 高血圧・糖尿病・心臓病などの持病がある人(その治療で薬を飲んでいる人を含む)は、運動を始める前に医師に相談します。
- 運動中に胸の痛み、めまい、冷や汗などが出たら、すぐに中止します。
身体活動・運動ガイド2023でよくあるミス
- いきなり毎日1万歩・毎日筋トレを始める(痛みや疲れで続かなくなります)。
- 運動した日だけ動き、ほかの時間はずっと座っている(座りっぱなしを減らすことも推奨の一部です)。
- 筋トレをジムでするものと思い込む(ガイドは自重の腕立て伏せやスクワットも含むとしています)。
- 歩数だけを追い、強さを気にしない(3メッツ以上が目安です)。
身体活動・運動ガイド2023のチェックリスト
- [ ] 今の1日の歩数を把握した
- [ ] 運動開始前の健康チェック8項目を確認した
- [ ] 「今より10分」の具体的な方法を決めた
- [ ] 筋トレをする曜日を2つ決めた
- [ ] 座りっぱなしを中断する合図(タイマーなど)を決めた
身体活動・運動ガイド2023のFAQ(よくある質問)
Q. 8,000歩に届かない日はダメですか?
A. ダメではありません。ガイドの方向性は「今より少しでも多く」です。届かない日があっても、週単位で少しずつ増えていれば十分です。
Q. ヨガやストレッチは「運動」に入りますか?
A. ガイドのメッツ表では、ストレッチングは2.3メッツ、ヨガは2.5メッツで3メッツ未満の運動です。パワーヨガは4.0メッツとされています。体をほぐす目的で取り入れ、息が弾む運動は別に組み合わせるとよいでしょう。
Q. 家事は身体活動に入りますか?
A. 入ります。掃除機がけは3.3メッツ、風呂掃除は3.5メッツなど、3メッツ以上の家事もあります。
筆者の見解(身体活動・運動ガイド2023)
ガイド2023の数字だけを見ると「1日60分」はハードルが高く感じますが、私見では、このガイドの本当のメッセージは「今より少しでも多く」という一文にあると考えます。歩数計で今の自分を知り、10分ずつ足していくやり方なら、運動が苦手な人でも始めやすいはずです。筋トレが週2〜3日と明記されたことも、体重だけでなく体の土台を作る意味で心強いと思います。
身体活動・運動ガイド2023の関連項目
- ウォーキングの効果と歩数|1日何歩が目安?始め方
- メッツ(METs)とは|運動の強さと消費カロリーの計算
- NEAT(ながら運動)とは|日常の活動量を増やす方法
- 自重トレーニングとは|器具なしで始める宅トレの基本と週間メニュー
- 運動前の体調チェック|医師に相談する人と中止のサイン
出典(一次情報)
本記事は医療・健康に関する一般的な情報提供を目的としており、診断・治療の代わりにはなりません。持病のある方、妊娠中・産後の方、体調がすぐれない方は、運動や食事の変更前に必ず医師にご相談ください。痛み・めまいなどを感じたときは中止してください。