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運動前の体調チェック医師に相談する人と中止のサイン

運動前の体調チェック|医師に相談する人と中止のサイン

運動を始める前に確認したい持病・薬・痛みのチェック、毎回の運動前の体調確認15項目、運動中にすぐ中止するサイン、ウォームアップとクールダウンの目的を、厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023をもとに整理します。

公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

運動前の体調チェックとは

運動は、始める前の確認・毎回の運動前の確認・運動中の確認・運動後の確認の4つのタイミングで体調を見ると安全に続けられます。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」には、本人が使える「運動開始前の健康チェックシート」と「運動前の体調確認」の表が載っています。

特に、運動をしばらくしていなかった人が急に普段以上の運動をするときは、事故のリスクが高くなるとガイドは示しています。最初の一歩は、運動の種類を選ぶことではなく、自分の体の状態を確かめることです。ただし、チェックの結果をどう判断するかは、持病のある人ほど医師の判断が必要になります。

運動前の体調チェックの基本

確認する5つのタイミング(e-ヘルスネットの情報シートより)

  1. ふだんからの健康管理(健診、体重・血圧などの確認)
  2. 新しく運動を始める前(持病の有無や状態、ふだんの活動量、目的と内容)
  3. 毎回の運動前(体調確認とウォームアップ)
  4. 運動中(体調確認)
  5. 運動後(体調確認とクールダウン)

始める前に医師に相談したい人

ガイドの「運動開始前の健康チェックシート」は、次の8つの質問で構成されています(要約)。心臓病・高血圧・慢性の病気・手術・薬の項目は、「はい」でも、医師から運動の範囲や注意を聞いていて、それを守るなら始められます。医師から運動の範囲を聞いていない場合(例:健診で血圧が高いと言われたが、まだ受診していない)は、始める前に受診します。胸の痛み、めまい・失神、運動で悪くなりそうな骨や関節の問題、医学的な監視の指示に当てはまる人は、始める前に受診・相談します。

質問の内容(要約)
医師から心臓病や高血圧と言われたことがある
ほかに慢性の病気がある(過去を含む)
過去に手術を受けたことがある(運動の制限の有無を確認する)
慢性の病気で薬を飲んでいる
安静時・日常生活・運動中に胸の痛みを感じることがある
めまいでバランスを崩す、この1年で意識を失ったことがある
運動で悪くなりそうな骨・関節・筋肉の問題がある
医師から「病院のリハビリなど、医療スタッフのもとで運動するように」と言われた

治療が終わって今は通院しておらず、医師から運動の制限を言われていない昔の病気や手術(例:子どものころの盲腸の手術)は、そのまま始めてかまいません。持病の治療以外で毎日飲んでいる薬(低用量ピルなど)がある人は、運動してよいかを医師・薬剤師に確認します。このほか、妊娠中・授乳中・産後の人、持病の治療で薬を飲んでいる人、食べることに強い不安がある人も、医師や助産師に相談してから始めます(ガイドは妊産婦向けの推奨事項を示すには至っていないとしています)。

運動前の体調チェックの具体例

毎回の運動前の体調確認(ガイド2023の表をもとに要約)

次のどれかに当てはまる日は、その日の運動を休みます。「過労気味」「睡眠不足」は、それで体調が悪いと感じるときの項目です。眠いだけで体調がふつうなら当てはまりません。迷う日は、強い運動はせず、ゆっくりの散歩やストレッチにとどめるのがおすすめです。

体の状態 体の状態
足腰の痛みが強い 熱がある
体がだるい 吐き気がある・気分が悪い
頭痛やめまいがする 耳鳴りがする
過労気味で体調が悪い 睡眠不足で体調が悪い
食欲がない 二日酔いで体調が悪い
下痢や便秘で腹痛がある 少し動いただけで息切れや動悸がする
咳やたんが出て風邪気味 胸が痛い
(夏)熱中症警報が出ている

運動中にすぐ中止するサイン

ガイドと情報シートでは、次の症状を感じたら直ちに運動を中止するよう示しています。

  • 胸の痛み
  • 動悸(心臓がドキドキと速く打つ、脈が乱れる感じ)
  • めまいやふらつき
  • 強い空腹感やふるえ
  • 冷や汗
  • いつもと違う強い疲れ
  • 関節や筋肉の強い痛み

胸の痛みや意識が遠のく感じが続くときは、休んで様子を見るのではなく、周りの人に助けを求め、必要なら救急要請をためらわないでください。

運動前に体調をチェックする流れ

  1. 健診の結果を手元に置く。血圧や血糖の値が分かります。
  2. チェックシートの質問に答える。「はい」があれば、かかりつけ医に運動してよいか、どの程度までかを相談します。
  3. 運動の日は、まず体調確認の表を見る。当てはまる日は休みます。
  4. ウォームアップをする。ガイドは、ある程度の強度の運動ではウォームアップを必ず行うよう示しています。目的は、けがや内科的な事故の予防、動きやすさ、心の準備、体調の把握の4つです。
  5. 水分をとる。ガイドは、運動中も15分に1回程度は水分・ナトリウムを補給するよう書いています。
  6. 終わったらクールダウンをする。急に止まると心拍数が急に下がり、血圧低下などが起こることがあるため、5〜10分ほど軽い動きを続けます。

運動前の体調チェックの注意点

  • 血圧が高い人: e-ヘルスネットの情報シートは、収縮期血圧180/拡張期血圧110mmHgのときは運動を控えて休養するよう示しています。血圧が高めの人は運動前に測って記録します。
  • 持病の治療で薬を飲んでいる人: 一部の血圧の薬は心拍数に影響し、心拍数で運動の強さを測れないことがあります。糖尿病の薬では低血糖に注意が必要な場合があります。自己判断せず、医師・薬剤師に確認します。
  • 肥満の人: ガイドは、肥満がある場合は運動で関節などを痛めやすいので注意するよう書いています。歩行や水中運動など、負担の少ないものから始めます。
  • 室温・湿度: 気温や湿度への配慮も必要とされています。

運動前の体調チェックでよくあるミス

  • 「病気はない」と思い込んで健診を受けていない(気づいていないだけのことがあります)。
  • 寝不足や二日酔いの日に「取り戻そう」と頑張る。
  • ウォームアップなしでいきなり走る・跳ぶ。
  • 運動のあとにすぐ座り込む、熱いお風呂に直行する(クールダウンを挟みます)。
  • 痛みを我慢して続ける。

運動前の体調チェックの確認項目

  • [ ] 健診の結果を確認した
  • [ ] 運動開始前の健康チェックの質問に答えた
  • [ ] 「はい」がある項目は医師に相談した
  • [ ] 運動前の体調確認の表を見られる場所に置いた
  • [ ] ウォームアップとクールダウンの時間を予定に入れた
  • [ ] 中止のサインを覚えた

運動前の体調チェックのFAQ(よくある質問)

Q. 健康な人も医師の許可が必要ですか?

A. 8つの質問に1つも当てはまらず、妊娠中・産後や持病の治療中でもなければ、軽い運動から自分で始めてかまいません。当てはまる質問があれば、上の進み方(制限を守る、分からなければ受診)に従います。ただし、体調の変化があれば、その時点で相談します。

Q. 筋肉痛がある日は休むべきですか?

A. ガイドの体調確認の表では「足腰の痛みが強い」日を休む目安にしています。また、関節や筋肉の強い痛みは運動中の中止のサインです。迷うときは休みます。

Q. ウォームアップは何をすればいいですか?

A. これから行う運動を軽くした動き(ゆっくり歩く、軽い体操など)から始め、少しずつ強めます。

筆者の見解(運動前の体調チェック)

運動の記事は「何をするか」に目が向きがちですが、私見では、始める前と毎回の体調確認こそが、長く続けるためのいちばんの近道だと考えます。体調が悪い日に休むのは怠けではなく、けがや事故を避けるための判断です。チェック表を冷蔵庫に貼るなど、毎回見る仕組みを作っておくのがよいと思います。

運動前の体調チェックの関連項目

出典(一次情報)

本記事は医療・健康に関する一般的な情報提供を目的としており、診断・治療の代わりにはなりません。持病のある方、妊娠中・産後の方、体調がすぐれない方は、運動や食事の変更前に必ず医師にご相談ください。痛み・めまいなどを感じたときは中止してください。